5月9日 追憶の日
今日、ウズベキスタンは Xotira va Qadirlash Kuniという祝日です。日本語では「追憶の日」とされています。何の日かというと、戦争で亡くなった方の慰霊をする日です。
この日は第二次世界大戦時にドイツ軍が連合軍に降伏した日とされているため、旧ソ連圏やヨーロッパの国では、「戦勝記念日」とされています。しかし、ウズベキスタンでは1991年の独立後に初代大統領のカリモフさんが「追憶の日」と定めたそうです。戦争の勝ち負けではなく、広く戦争で亡くなった人や、国家の自由のために犠牲になった人を偲ぶという追憶の日の考え方がいいなぁと思いました。
生徒たちに、「追憶の日はどうやってお祝いするの?」と聞いたところ、多くの生徒が独立広場に行って、嘆きの母の像を見て、戦没者の名前のリストで親族の名前を探すのだ、と教えてくれました。
私も今日、独立広場に行ってきました。
今日は本当にたくさんの人で賑わっていました。
嘆きの母の像とは、戦争に行った息子の帰りを待ち続ける母の像なんだそうです。戦地に行った息子を案じて手紙を書いても届かず、音信不通の母のもとには息子が戦死したという悲報が届いたそうです。信じられない母は来る日も来る日も息子の帰りを待ち続けたそうです(私のウズベク語の聞き取りが正しければ…)。
この嘆きの母の像の表情はとても悲しそうな顔をしています。そして、目線の先には平和を願う灯があります。
今日は、この像の周りにたくさんのお花が飾られていました。大統領が献花した花を囲むように、各国から贈られた花でとても華やかでした。
もちろん、日本の大使館からの献花もありましたが…残念ながらリボンの日本語がさかさまでした…。
この嘆きの母を中心として、左右に戦没者や行方不明になった方の名前が彫ってあるプレートがあります。地域ごとに名前が記されています。今日は多くの人が自分の親戚や知り合いの名前を探してはお祈りをしていました。
戦没者の方々への想いと共に、平和の祈りに包まれた空間でした。