ウズベキスタンで羊の最後を見届ける
5月1日、令和がスタートした日の朝のことです。
授業の合間に校内をまわっていると、中庭に羊がいるのを発見!!
この羊がとてもかわいい!!近くの草をつんで近づけるとむしゃむしゃ食べてくれる。
繰り返しているうちにだんだん懐いてきて、私にスリスリしてきたり、後をついてきたりするようになった。多分子羊なんでしょう。なんだか甘えんぼさんの羊でした。
学校で飼うことになったのかな~?なんて思いながら授業に戻る。
授業をしていたら、他のクラスの生徒が「他の先生が呼んでる!」と言って呼びに来たので、何かと思っていくと…
なんと…さっきの羊をこれからさばくらしい。
今までに屠殺するところは写真などでしか見たことが無かったので、急に心拍数が上がるのを感じました。ウズベキスタンでは屠殺は男性の仕事で、女性は見てはいけないらしいです。今回は特別に私には見せてくれるということで、最初から最後まで見学させてもらいました。
ここから先は屠殺の様子を記録します。なるべく血などグロテスクな写真は使わないようにしていますが…苦手な方はここでストップしてください。
<羊さんがお肉になるまで>
・最初に地面に穴を掘る。聞けば、羊の血を貯める穴だそう。
・羊の前足を紐で縛り、羊が暴れないようにする。
・2人組で羊を地面に寝かせて、一人の人が後ろ足を抑える。
・コーランを唱え、オーミンをする。
※オーミンというのは両手でゆっくりと洗顔をするみたいに顔をなでるようにする仕草で、イスラム教のお祈りのとき等によくされます。仏教でいう合掌みたいなものにあたると思います。
・羊の首を途中まで切る。勢いよく鮮血が流れてくる。
・血が出切るまで、羊を寝かせたまま押さえる。
・血が出切ったら、空気入れで羊の体内に空気を入れる。
・皮と胴体を包丁で少しずつ剥がしていく。
・両手足と頭部を胴体から話す。…この部分で骨をボキって折る音にちょっとウッってなりました。
→両手足と頭部はこの後、焼かれて、骨になったものを沸騰したお湯に入れて出汁?をとるのに使っていました。
・胴体の半分の皮を剥いだら、梯子に足を結びつける。
・もう半分の皮を剥ぐ。
・お腹を割いて、臓器などを取り出す。
→臓器は女性の先生が処理していました。
・肉を切り分けていく。
→斧や包丁を使って調理しやすいサイズにしていきます。
この羊さんのお肉は翌日料理されるということで、食堂の冷蔵庫にしまわれていきました。
男性の先生方はとても手際よく作業をしていました。ウズベキスタンではイスラム教の祝日で、8月にクルバン・ハイート(犠牲祭)があります。その日は裕福な家庭の人が羊や牛などの動物を屠殺し、親族や近所の人に分け与えるそうです。そのため、屠殺の仕方を知っている人は、比較的裕福な家庭で育った人なんだ、ということを教えてもらいましたが…本当かどうかは分かりません。
日本ではあまり見ることのできない場面に立ち会わせていただき、とてもいい経験になりました。もっとショックを受けるかと思っていましたが…以外に興味津々で見入ってしまい、周りの生徒や先生に「大丈夫なの!?」と驚かれました。笑。命をいただくことの意味を改めて考えさせられました。